第6章 その陸〈秀吉ルート/ちょい艶〉
信長のくれた、言葉ひとつひとつに、温かな想いを感じて、は目頭が熱くなるのを感じた。
出会ってからずっと、信長には好き勝手に振り回され、不本意な熱まで感じさせられて、散々困らされてきたのに……
垣間見るだけだった優しさが、今ハッキリと形になって、ポツポツとの胸に降り積もる。
「ありがとうございました」
が笑顔で礼を言うと、信長は僅かに眉間に皺を寄せて、足元にあった徳利を拾い上げた。
そのままの方へ進み出て、目の前で盃を酒で満たす。
「信長様……?」
「貴様は何か勘違いしている。……俺がしたのは、助言ではない。忠告だと言っただろう」
「……そうだとしても、私や秀吉さんを想って仰って下さっているんですよね?私はとても嬉しいです」
がそう言うと、信長は面白くないといった表情で、いつものように毒づいた。
「……どこまでもお人好しだな、貴様は。」
「っ?」
「貴様が嬉しいと思うなら、それも良かろう。だが、それならば駄賃を貰うぞ」
「え?……待っ……」