第6章 その陸〈秀吉ルート/ちょい艶〉
御殿に着いてからまもなく、秀吉は今日の仕事へ取り掛かり、その関係で再び安土城へと出掛けて行った。
も世話役の仕事をしようと思ったのだが、秀吉に今日は休めと言われ、与えられた部屋で荷解きをする事に。
しかし、少ない荷物では早々に終わってしまい、何をして時間を潰そうか考えていると――……
不意に部屋の外から声を掛けられた。
「様、信長様がお呼びです。天主までご足労願います」
信長の家臣の声。
は、やはり秀吉と住むと勝手に決めてしまった事について、お叱りを受けるのではと思いつつ、「すぐに行きます」と返事をした。
(……どうせ叱られるのなら、私だけでいい。信長様にお願いしてみよう。)
嬉しそうに、にこにこしていた秀吉の笑顔を思い出して、はそっと自分の胸に手を当てる。
そして、強い意志をその瞳に宿し、信長の待つ天主へと向かった。
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