第5章 その伍〈秀吉ルート/艶有〉
秀吉の唇が、の首筋を滑り、一ヶ所を強く吸う。
それは、信長のつけた証。
その場所を強く吸って、花弁が更に濃く色付いた。
の潤んだ瞳から、涙が一粒零れ落ちる。首筋から唇を離した秀吉が、その涙を長い指先で優しく拭った。
「……俺も、が好きだ。このまま、俺のものにしてもいいか?」
秀吉の低く、甘い声音に、はこくんと頷く。 それを確認して、秀吉はの帯を手際よく、しゅるっと外した。
外はまだ陽が高く、明るいのが気になって、は肩から落ちそうになる着物をきゅっと掴み、躰を隠す。
「こら。これじゃ、お前に触れられないだろ。……焦らしてるのか?」
「違っ……まだ明るいから、恥ずかしくて……」
「そうか。それなら尚更、恥ずかしがってるも、全部見たい。……の、全部が欲しいんだ」
「…ぁ……っ!」
秀吉がの手を掴むと、肩から着物がするっと落ちていく。
そして、の両手は秀吉の大きな手によって、そのままひと纏めにされ、頭上に縫い止められた。
しなやかな躰が露になって、恥ずかしさで頬を染め、俯くが堪らなく愛しい。
空いている手で軽く躰を撫でると、はビクンとその身を震わせる。