第1章 その壱〈豊臣秀吉/艶有〉
の声が、水音が、激しさを増し……
絶頂が近いのだと悟った。
こんなのダメだ、そう思うのに、秀吉の足は床に縫い止められたかのように動かない。
男としての欲望が昂る。
の、最高に甘い声音を聴きたい。
触れてもいないのに、躰がゾクゾクして、ドクンドクンと鼓動が高鳴る。
秀吉の存在に気付いていない、もまた――……鼓動を高鳴らせていた。
気持ちが良くて、指が止まらない。
もっともっと欲しい。
快感で何も考えられないは、欲望のままに、甘い声を重ねた。
「気持ちイイっ……あ…んんっ」
「っ…………!!」
「も、だめ……ぇ…っ!」
淫らに乱れるに、秀吉はもう限界だった。
今なら、挿れただけで、触れただけで、達してしまうかもしれない。
そう思った。
もう、イッてしまう……そうが思ったその時。
ついに秀吉が、に声をかけた。
…なるべく平静を装って。
「、夜分にすまない。起きてるか?」
「……っ!秀吉、さん?……あっ」
思わず返事を返してしまって気付く。
今の自分の姿は、とても見せられるものじゃない。
褥から起き上がり、急いで乱れた夜着を正す。
「入っていいか?」
「ま、待って!ちょっとだけ……」
「入るぞー」
「っ……!」