第1章 その壱〈豊臣秀吉/艶有〉
……瞼が重くて開けられない。
どうして?
身体も、すごく重たい。
でも、奥がじんじんしてて、何だかずっと気持ちイイ。
まだ夢見心地で、疲れ切った身体を起こせずに、が少しずつ覚醒していく中……
どこまでも優しく、温かな、声が聞こえてきた。
「ごめんな、。もっと、最後まで、優しく抱きたかったのに……」
(秀吉さん……?)
「お前はきっと、信長様が好きなんだろうな。けど、俺は…」
(違う、私…信長様が好きな訳じゃ……)
「もうお前を、妹として見れない」
(……っ……それって……)
「けど、お前があの方の気に入りである限り、奪う事は出来ない。せめて、その身を慰める役は、俺がする」
「なっ……」
「!……悪い、起こしたか?」
思わず声を出してしまった。
秀吉は、いつもみたいに優しく笑いながら、気遣うようにの頬を撫でた。
どこまでも優しい眼差しと、まるで壊れ物に触れるかのような、優しい手付き。
けれど――……
1番大事な事が、スレ違っている。
は苦しくて、身体に掛かっていた羽織りをぎゅっと握りしめながら、秀吉を見つめた。
そして、躊躇いがちに、ポツリと言の葉を紡ぐ。