第9章 それぞれの気持ち
「楓ちゃんかーわいい・・・」
放課後や昼休みに訪れるようになった数学準備室。昼寝をすることがほとんどだけど、ここで楓ちゃんとキスしたし、エッチもした。2人だけのひみつ。今日も2人っきりになったから、ぎゅってして、こっち向かせていっぱいキスして・・・だんだん顔が赤くなってきて息遣いもなんかエロくなってきて、それがかわいくってさ。
それから先に進もうとしたら、ダメって。
「えぇ~!」
「誰かに・・・見られたら、困るし・・・」
「鍵なら閉めたし~」
「ここ、壁が・・・薄いみたいで・・・」
「楓ちゃん?」
「とにかく、これ以上は・・・ごめんなさい・・・」
「ん、わかった~、だからそんな顔しないで~?」
声我慢してんのもかわいいけど、やっぱ声も聞きたくなっちゃうんだよね~。楓ちゃんの髪を撫でながら顔を覗き込むと困った表情でこっちを見るから、それもたまんなくてくしゃくしゃってして、あぁ、またキスしたくなっちった。キスなら、いっかな?
「キスならいい?」
そう聞くと、めずらしく楓ちゃんからキスしてくれて、同じ気持ちって再認識した。
最初は、跡部に惚れちゃったのかな~、困った顔もかわいーじゃん!、ぐらいの気持ちだったけどさ。
なんか、気づいたら夢中になってんだよね。
楓ちゃんにぐるりと腕を回して、なんども口づけをかわした。夢中になるなんて、テニスと昼寝ぐらいかと思ったのにさ。