第7章 心の目覚まし。
帰宅して、入浴のために服を脱ぐと、鏡に映る自分の胸元についた赤い痕に、芥川くんの無邪気な笑顔、時々見せる大人顔負けの色っぽい表情を思い出した。放課後に生徒と体を重ね、行為の後は腰も痛かったけれど、嫌な痛みではなかった。でも、やっぱり罪悪感はあって、明日からどう接すればいいのか悩んだ。
最初のキス以来、昼寝に丁度いいからと入り浸るようになっていたけれど、やっぱり明日からは断ろう。大人としてのけじめをつけなくちゃ。公私混同してしまったら、他の生徒にも迷惑がかかってしまう。そう自分に言い聞かせる。いくらキスをしたって、体を重ねたって、そこに愛はないのだから。
「・・・愛はない。」
口に出して言うと、なんだかとても苦しかった。