第4章 婆鎌
"ザッ……ザッ………ザッ……"
いよいよ住宅街から入山する
(凄い…こんな速いスピードで木から木に移動しているのに、
枝1本…身体に当たらない……)
「静かだね…どうしたの?もしかして眠っちゃった??」
「……いぇ…起きてますよ…
…流れていく景色に見惚れてました」
「そっか」
ヒューッヒューッと風を切る音と、
木から木に飛び移る時に出る微かな音だけしか聞こえない。
それから…
クロウさんの微かな吐息音……
「……////」
なんだかクロウさんに抱かれている状況がとても恥ずかしく感じ始めてきた…
「おっ…あったあった…空き家…」
「?」
どんどんクロウさんの走るスピードが落ちていく。
そして……
「はい、到着…」
私はそっと地面に降ろされた。
「(´⊙ω⊙`)おぉ………」
目の前に佇む空き家…
空き家というより…小屋と言う方が正解なようなそんな空き家。
「ほらほら何ぼっ〜と突っ立ってんのさ!入るよ〜」
「あっ…はい。」
クロウさんを先頭に空き家に入る。