第1章 自殺
「自然に枝が折れるならこの木も本望さ…
でもどうかな…人間の自分勝手な行動で枝が折れてしまったとしたら…」
「………」
私はハッとした…
「枝だけじゃない…
腐った血肉はやがて木の根元に落ち…根が吸収し巡っていく……
この木は…トラウマと今も戦っているのさ……」
「………」
「…長生きしてもたかだか100年そこそこの命のくせに、
いろんな奴に迷惑かけて死ぬ人間ってのは…どうして減らないんかね…」
寂しそうな目で木を眺めるクロウさん
「……」
「まっ……そんなことアンタに聞いても仕方がないけどさ。」
私は、地面に降ろされた。