第1章 自殺
「俺は…この山の夜の管理人…
アンタみたいな事情で来た奴のせいで山が汚れないように監視したりしてる…
ほれ…名刺……」
クロウさんは私に名刺を渡してきた。
「…夜の山の管理人………」
「もう二度と逢う事は無いと思うけど、
以後お見知り置きを……って事で。」
「……クロウさん…」
「ん?」
「…いろいろと…すみませんでした……
それから…ありがとうございました。」
私はクロウさんに頭を下げた。
自殺は愚かな行為だと教えてくれたのと…
なんだか生きる勇気をもらったからだ。
「…まぁ…元気でやれよ。」
そう言うとクロウさんは今度こそ本当に暗闇に姿を消した。