第9章 赤鳥居の番人
「ハァハァハァ…ハァハァハァ……んっ……ハァハァハァ…」
斜面を登れば登るほど、
どんどん傾斜がキツくなってきて
登る為に草や枝や岩を掴む手に力が入らなくなってきている……
おまけに…
"ズルッ"
コケが生えた岩などに足をかけるたびに、
ツルツル滑り膝を頻繁に斜面に打ち付けてしまい、
暗くてよくみえないけどきっと擦り傷ができていそうだ。
「ッ……ハァハァハァ……苦しっ………痛い………」
一度足を止め…
(お気に入りだったけど…
脱いだ方が幾らか楽に登れそう……)
パンプスを脱ぎ、
クロウさんには怒られてしまいそうだけどコートも重いから…サヨナラした。
「ハァハァハァ………よしっ……いこう………」