第7章 境界線の恋*二口堅治
『....え?』
なに、この距離で聞こえないわけないだろ
「好きだって言ってんだよ!」
『誰が?』
「俺が」
『誰を?』
「葉月を」
『わたしも...私も堅治がスキです』
「ん、じゃあ俺の彼女になってくれるよな?」
『でも...わ、わたし...キス...されて』
「さっきのは事故だ事故忘れろ」
『でも......』
目線を逸らしポロポロ涙を流す葉月の顎を掬い上を向かせ唇を塞いだ
『ん...っ』
「これでチャラだ、分かったな?」
『.....うん』
「だいたい葉月のファーストキスの相手は俺だろ?」
『え!?』
コイツまさか忘れてんのかよ...
「6歳の誕生日に葉月からしてくれただろ?」
『////』
「おっ!思い出したか?」
『だ、だってあれは堅治が!?』
「あの頃の葉月は積極的だったな~」
『うっ!』
「せっかくだから葉月からキスする?」
『!!?』
面白いやつ
怒ったり赤くなったりびっくりしたり
「俺とキスするの嫌?」
『い.....ない』
「え?なに聞こえ.....!?」
聞き取れなくて顔を近づけると
唇に柔らかい物が触れて直ぐに離れて行った
『嫌じゃないよ好き』
なんだよ今のは...
「あ~もうっ
絶対離さないからなっ!!?」
妹だと思っていた葉月は
今日から俺の彼女になりました
境界線の恋*二口堅治 End
「青根......」
「...はい」
「俺は二口を連れて来いって言ったんだけど.....
誰コイツ??」
「山城に言い寄る虫です」
「へ~山城に言い寄るね~
そうかそうか虫は退治しないとな~」
「ひっ!!?」
「「「二度と山城(さん)に近づくな!!」」」
この日を境に佐伯が葉月に近づく事は無かった
End