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幻想〘HQ〙

第7章 境界線の恋*二口堅治


「俺と付き合って下さい!?」


ある日の放課後
部活に行く途中で誰かの声が聞こえた


誰だこんなところで
告白なんかしてるやつは他でやれよ


ここは部室近くのため人通りが多い


『えっと...誰?』


葉月?


幼馴染みの声が聞こえ立ち止まった


またか...ホント飽きないな


ここは工業高校と言うだけありマンモス校だ
女子は全部で10人と異様に少ない
そのせいか幼馴染みの葉月は
入学してからほぼ毎日誰かに告白されていた


女子が少ないからって
葉月に告白するなんてな
まあ俺には関係ないか


部室に向かって歩き出した


「あっごめん!俺は2年の佐伯遥」


相手の名前を聞いて再び立ち止まる


『佐伯遥....??
あの~佐伯センパイって
確か3年の皐月(サツキ)センパイと
付き合ってますよね?』


「大丈夫だよ、昨日別れたから
だから俺と付き合ってよ」


『何で私なんですか?
皐月センパイの方が綺麗ですよ?』


「確かに皐月は綺麗だけど飽きちゃったんだよ
だから、今度は可愛い系にしようと思ってね♡」


『.....お断りします』


「えっ何で!!?」


『何でって...嫌だから』


「え~そんなこと言わないでさ~」


『きゃ!?』


しょうがない


「こんなところで何やってんの?」


「二口か、なんか用?
今取り込み中なんだけど」


こちらに背を向けていた佐伯が
葉月の手首を掴んだまま振り向いた


「佐伯じゃない、葉月」


『な、なに堅治?』


あ~あ泣きそうな顔しちゃって


「茂庭さんが差し入れお願いしたいって」


『わかった直ぐ聞きに行く
じゃ、佐伯センパイ失礼します!』


掴まれていた手から抜け出し
バタバタと走っていった


「二口って葉月の幼馴染みなんだってな?」


「だったら何?」


「俺の邪魔するなよ?」


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