第4章 甘い物にはご用心*花巻貴大
"好きだよ貴大"
ああこれはきっと夢だ
葉月がこんなこと言う訳無い
"ねえ貴大は?貴大は私のこと好き?"
俺だって葉月が好きだ
小さい頃からずっと
葉月だけを見て来た
"嬉しい大好きだよ貴大"
俺も葉月が好きだよ
『....ろ』
なに?聞こえない
『...て、たかひろ』
「ん...?」
『起きて貴大!遅刻しちゃうよ!?』
「ふあ~おはよう葉月
あれっ母さんは?」
『おばさん今日も早くに出掛けるって言ってたでしょ?
着替えて降りて来てよご飯冷めちゃうでしょ!』
「りょう~か~い」
布団の中からヒラヒラ手を振り返事をすると
葉月はバタンッと扉を閉めて1階に降りて行った
はぁ~やっぱり夢かあ~
のそのそ布団から這い出てジャージに袖を通すと
荷物を持って1階に降りて行った
『おそーい!』
エプロン姿でキッチンからお皿を持って来て
ドンッと机に置いた
「今日の朝ご飯も葉月が作ったの?」
『不味くても文句は受け付けませーん
早く食べてよね部活遅れるよ!』
「ハイハイいただきます」
パクッと一口食べると口に広がるほど良い甘み
文句なんかつけようのない俺好みの味付けだった
食べ終わって歯を磨いている間に葉月が洗い物をする
何時のも光景だったが何かが違うような気がした
部活中もその"何か"がわからず
葉月を観察するように見ていると
バチッと目があった
『!?』
びっくりした顔でバッと顔を背けられた
俺なんかしたか??