第2章 名前を呼んで*黒尾鉄朗
木兎と赤葦と別れ
泣く葉月と一緒に家まで帰ってきた
"一人になりたくない"と言われ
葉月の部屋にいる.....
『傍にいて...』
「大丈夫だ、ずっと傍にいる」
とは言ったものの
好きな女と抱き合ってベットの上
って俺、我慢できるのか...?
時計を見る
ここに来てから数十分か
何時間も居るようにも感じんだけどなあ
はぁ~と溜息を吐くと腕の中に居る
葉月が身じろぎをして
猫の様にスリ寄って来た
なんだよこのクソ可愛い生き物は
押し倒しても良いですか?
良いですよね?
『九条さんは?』
九条?
「アイツとは別れた
俺が好きなのは葉月だけだって気づいたから」
『すき...?ほんとうに
私の事すきなの?』
「好きだ
俺と付き合ってくれる?」
『うれしい私も好きだいす...ん』
ヤバッ可愛すぎて思わずキスしちゃったわ
「悪ぃ」
『何で謝るの?
私ファーストキスの相手が鉄朗で嬉しい』
「っ何でそんな可愛いことばっか言うんだ!
俺を煽ってんのか押し倒すぞ?」
『......』
あっ沈黙引いた?ドン引きした?
『...わ...て』
ん?今何て言った?
『いつか...私のはじめて貰ってね』
「いつかっていつ?今押し倒したらダメ?」
『い、今はダメ!
これで我慢してください...』
チュッと触れるだけのキスをして離れた
しょうがない葉月の心の準備
出来るまで待ってやるか
「じゃあもっとキスさせて?」
小さく頷くのを確認してから
そっと唇に触れる啄む様なキスを繰り返すと
葉月の体の力抜けて来た
「口開けて」
囁くように言えば薄く開く唇
舌で歯列をなぞるとピクッ体が跳ねる
後頭部に手を回しさらに深く深く口づけ落とす
『ん、ふぁ....っ』
舌を絡ませればたどたどしくも一生懸命に答える
口内を満足いくまで堪能してから離れた
肩で息をしている葉月の額にキスを落とす
「葉月好きだ」
『私も鉄朗が好き』
"鉄朗"と葉月が俺の名前を呼ぶ
また鉄朗も"葉月"と呼ぶ
俺の私の名前を呼んで
名前を呼んで*黒尾鉄朗 End