第27章 ・・・・・嘘
瑠李side
その人は突然やってきたんだ
その日の晩御飯の買い物に行って帰ってきたら
マンションのエントランスに女の人が居て
「あなた・・・・大野瑠李さん?」
そう声を掛けられたんだ
「・・・はい?どちら様ですか?」
その人は、身長も高くて綺麗でお上品な感じがした
「私・・・明智穂奈美と申します。」
「・・・はぁ・・。」
「単刀直入に申し上げますが、陽斗さんから離れて頂けませんか?」
「離れる?それって・・・どういう意味ですか?」
「陽斗さんとは将来を考えておりますのよ。先日の土曜日にもそのお話をさせて頂いたんですけど・・・貴女がいらっしゃるから、彼も煮え切らなくて・・、ですから私がこうして出向いて来ましたのよ。」
「・・・土曜日・・・?」
それはこの前海に行く約束をしていたのに
ハルさんの部下の人がミスをしたから
休日出勤をするって行った日だ・・・・・
「えぇ、わざわざ時間を作ってくれたの。私の為に。お優しい方だから、貴女にもはっきりを言えないんだと思いますのよ。そこで貴女から身を引いて頂いて、離れて欲しいんです。」
私は・・・彼女の言葉が受け入れられなかった
約束した海に行けなかった事
私が・・・・離れなきゃいけないって言われた事も
ううん
それよりもハルさんがつかないって約束してくれたのに
嘘をつかれたこと・・・・・
「突然のことですけど、早急に動いて頂けます?こちらも色々と忙しいので。」
やっぱり
嘘をつかれたことも辛いけど
胸が苦しいけど
ハルさんの事嫌いになりたくない
だからこれが一番いい方法だと思った
突然でごめんなさい
ハルさんの事大好きだから
信じたくないし
信じられない
だから
ハルさん
バイバイするね
今までありがとう
早々に荷物を纏めてマンションを出た
そこで早川さんに声を掛けられた
「どちらに行かれるんですか?」
「もう・・・・・ハルさんの側にいられないんです。とりあえず離れます。」
そう言った私に早川さんは自宅へと招いてくれた
危険な目にあってほしくないからと