第22章 大きなあなたと小さな私
瑠李side
次の日、いつものように朝支度をして学校に向かった
綾ちゃんが心配そうに声を掛けてきた
「瑠李!昨日どうなったの!?」
あの日から携帯が壊れた私は未だに持っていない
連絡がつかない私をかなり心配してくれただろう
「ごめんね。心配させて。もう大丈夫だからw」
「そうなんだ。わかったよ。じゃあ、もう言わない。」
と、言ってくれた綾ちゃんに安堵の溜息をついたら
「そんなわけないでしょ!?全部吐きなさい!!!w」
「あ・・やっぱり?w」
「じゃあ放課後にカフェでねw」
その日は何かと注目を浴びていた
理由は・・・・・昨日の件。
私は在学しているのに
彼、三嶋君は退学したと噂が持ちきりだった
そう言えば、飯島さんも来ていない
一部の人は二人が駆け落ちしたのだと言っていた
だけど、その話が嘘だとわかるのはその日の放課後だった
綾ちゃんと学校を出ようと校門に向かった時だった
私は突然腕を掴まれて校門の壁に押し付けられた
「あんたのせいよ!!!どうしてくれるのよ!!!」
壁にあたった衝撃で私は一瞬顔を歪めた
「い・・・たい・・。」
目の前には、怒りで顔を歪めた飯島さんだった
「あんたが卑怯な手で私と三嶋君を引き離して、三嶋君と私を学校から追い出したんでしょ!?どんな汚い手を使ったのよ!?返しなさいよ!!私から奪ったもの全部返しなさいよ!!!」
彼女の叫びは帰宅する生徒の注目の的だった
私は全く意味がわからず何も言い返せなかった
「何とか言いなさいよ!馬鹿女!!」
その時、掴まれていた肩が開放されて彼女が離れた
それと同時に彼女が声を上げた
「痛いわね!何するのよ!?」
目の前にはスーツを着た男性が二人
私の前に庇うように立っていた
「昨日、雅人様がご忠告して差し上げたのに、あなたはまだこんなバカなことをされるのですか?」
「そんな事知らないわ!!この女のせいでうちはめちゃくちゃになったのよ!?復讐してやらなきゃ気が済まない!!」
「救いようのない方のようですね。瑠李様、さぁ、カフェまでご案内致しますので、綾様もご一緒に。」
「待ちなさいよ!!話はまだ終わっていないわ!!!」