第21章 守りたい
「この方といい、さっきの方といい。何なんですか!?」
「美幸・・お前には呆れて物が言えない。」
「どういう意味ですか?」
「美幸・・剛志・・・。さっきの方は二階堂グループの次期社長と言われている九条雅人さんだ。そしてその二階堂グループとの提携を担当して頂いた玉城さんだ。二階堂グループに比べたらうちはかなりの弱小企業だ。それを・・お前たちは何も知らず、恥を晒したんだ!!」
「そんな・・・・・・。」
「きちんと忠告もしたんですけどね・・・その時点でお気付きいただければ良かったんですが。」
母親はやっと事の重大さに気が付いたようで
真っ青な顔をしていた
当の息子は結局自分の思い通りにならなかった事が
気に食わないのか苛ついていた
「美幸・・お前はさっきの一本の話本当にわかっているのか?」
「もちろんわかっているわ。1000万でしょ?」
「あの方の言う一本は1億だ。」
「い・・1億!!??」
「剛志。お前には心底呆れたよ・・ここまでバカなことをやるとは思っていなかった・・・。今後の事については家で話そう。大野さんでしたよね?」
「あ・・はい。」
突然、呼ばれた名前に慌てて返事をした
「今回のことは本当に申し訳なかった。この話は無かった事にして欲しいと言ったら都合が良すぎるかもしれないが・・・貴女には今まで通りこの学校に通ってもらいたい。息子を・・辞めさせますので。どうか。」
「社長は、どうやら頭は悪くないようですねwお話の通じる方で良かったですw」
「申し訳ございません。」
「ハルさん・・・さっきのお仕事の話・・・。」
目の前に居る優しい三嶋の父親にるぅは心を傷めたのだろう
「雅人には俺から話してみるよ。」
「・・・・んでだよ!!!」
「剛志・・・?」
「何で!大野は俺のものにならねーんだよ!!!今まで手にはいらないものは無かったのに!!」
「バカだなお前。」
「何だと!?」
「世の中にはお金では買えないものがあるんだ。お前の周りには今までお金で買えるものばかりが合っただけだ。お金で買えないものだからこそ、価値が有って欲望が掻き立てられるんだ。今のお前では彼女は手に入れることは一生できない。」
そして俺とるぅも校長室を後にした