第19章 仕組まれた罠・・・・・向けられた刃
瑠李side
ハルさんにずっと裸族でいると宣言された私は
怒っていた事を許すしか無かった
(酷いよ、私の弱みに漬け込むなんて)
だけど
本当はね
怒ってたんじゃなくて
悲しかったの
だって
私にとって特別なハルさんが
ハルさんにとっての私は特別じゃない気がしたから
恋愛対象の女性として見てもらえていない気がしたから
この気持ちを素直に話せばいいの?
でもそうしたら
一緒に居られなくなるかもしれない
そうなったら
きっと
耐えられないよ
その日の夜は
そんな事を考えながら
いつの間にか眠りについていたのだった
次の日いつものように朝を迎え
学校に向かった
あっという間に放課後になり
私は帰宅しようと学校を出た
そこで黒尽くめの男性3人に囲まれ
車に押し込まれた
声を出すまもなく口を抑えこまれ
手足を縛られた
目隠しをされた私は耳を澄まし
会話を聞いていた
「おい!早く車を出せ!!気が付かれたら面倒だぞ!!」
「わかってるよ!」
「お嬢さん。大人しくしてたら何もしねぇからな」
私は怖くなり身体が震えていた
(ハルさん・・・・助けて!!!!)
しばらく走った後、どこかの部屋にいれられた
そこで目隠しを外されて
目の前の高級そうな椅子に腰掛けた人物を見て
私は言葉が出てこなかった
「ちゃんと忠告してあげたのに、言う事を聞かないからこんな目に合うのよ。」
それは以前、私に宣言してきた飯島さんだった
私はやっとの思いで言葉を発した
「どうして・・・こんなことを?」
彼女は嘲笑うかのように言った
「だって、あなた忠告してあげたのに、三嶋君に相変わらずちょっかいかけるんだもの。彼が迷惑がっているのに。」
「私は・・これからは関わらないようにするって。それを守ってたわ。だけど、この前彼が私の住んでるマンションの前で偶然会って、そのまま一緒に誘拐されたのよ。」
「あなたがそばに居たから、誘拐されたんでしょ!?彼に迷惑かけないであげてよ!!」
「私はあなたと約束した通り、関わらない事を守ろうとしたわ。だけど彼がそれを聞いてくれないんだもの。」