第17章 それは・・・蜘蛛の糸のように
「で、おたくは誰?」
「申し遅れました。私は三嶋家で執事をしております、八木ともうします。この度は当家の坊ちゃまの件で巻き込んでしまい申し訳ございませんでした。病院にお連れしようと思ったのですがお嬢様が早々に帰宅されたいとおっしゃられましたのでお連れした次第です。」
「そうか・・・で?おたくの坊っちゃんはどこ?」
「少々怪我をしておりまして、今別の者が病院に搬送しております。何かございましたらなんなりと・・「結構だ!何かあればこちらで対処はする。だからその坊っちゃんにも彼女に関わらないでくれと伝えろ。」
説明する男性の言葉を遮り雅人が言い放った
普段穏便な雅人がここまで怒りを露わにするのは珍しい
「では、私は失礼致します。」
俺は彼女を抱きかかえ、部屋に戻った
リビングのソファーに座らせたものの
俺の腕から離れない
余程、怖い思いをしたのだろう震えが止まっていない
「るぅ?何があったか話せるか?」
そう聞いた瞬間彼女は握る手の力を更に強めた
「そうか、じゃあ話せるようになったら話してくれればいい。一旦休もうか?疲れただろ?」
彼女は握る力を強めて首を横に振る
「じゃあ、ここででもいいから少し横になればいい。皆いるから大丈夫。優季、るぅの部屋からタオルケット持って来て。」
「うん。わかった。」
タオルケットを掛けて横にならせようと思ったが
彼女が俺に抱きつき離れなくなった
横で雅人が悔しがっていたがそれ所じゃない
「で、わかったか?さっきの車。」
「今こっちに向かってるらしいので、その時に情報持ってくるそうです。で・・・彼女は誰なんですか?」
「ノーコメントだ。」
「え~!酷くないっすか?俺頑張ったのに!!」
「国民の為に動くのがお前の仕事だろうが!」
「ハルの嫁よw」
「「「はぁ!?」」」