• テキストサイズ

I cannot part with you

第16章 それぞれの準備


陽斗side


料亭に到着するなりるぅは緊張がピークに達したのか


顔色が急激に悪くなった


手洗いに行きたいというるぅの付き添いで来たが


大丈夫だろうか・・・・・


手洗いの前で待っている時に


通りかかった女性の店員さんに声を掛けた


「すみません。」


「はい、何かございましたか?」


「いえ、連れが中にいるんですが、気分が悪くなったって言ってたので、様子を見てきてもらえませんか?」


「はい畏まりました。」


数分して、その女性の店員さんに付き添われて出てきた


まだ顔色は良くない


「すみません。ありがとうございました。るぅ、大丈夫か?」


「・・・ぅん。もう少ししたら・・・落ち着くと思う・・・。」


手元を見ると震える手を片手で握って


落ち着けようとしているようだった


俺は手を握り片方の手で抱き寄せた


「無理しなくていいから。落ちつくまでここにいればいいから。」


「・・・ぅん・・・ぁりがとぅ・・・。」


段々落ち着いてきた頃


「あ!!!ハルこんなとこにいたの!?まだ来てないと思ったわwってゆうか瑠李どうしたの!?」


「あぁ、ちょっと緊張しすぎたみたいだ。落ち着くまでここにいようって言った。」


「そう・・・。ありがとうハル。瑠李大丈夫?」


「ぅん・・・もうほとんど落ち着いたよ・・。」


「そっか。良かったわ。もう皆集合してるの。もうだいじょうぶだったら部屋に行こうか」


「・・うん。」


優季の後に着いて部屋に向かう彼女はまだ震えていた


俺は黙って彼女の手を取り部屋まで歩いた


一瞬驚いた顔をしていたが


部屋までその手は繋いだままだった

/ 380ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp