第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
授業が終わり、着替えを早々に済ませ保健室へと向かった。
扉に手を掛けると、中からは楽しそうに話す男女の声。
「授業中に怪我するとか……大地にまた怒られちまうよ」
「澤村君、東峰君には厳しいもんねー」
「でもまだ捻挫で良かったよ、これで折れてたりしたら今後の試合に響くからな」
「全国だもんね! ほんと凄いよ!! ミカも凄く楽しみにしてるみたいだよ♪」
「早川も色々とサポート頑張ってくれてたからな……ほんとありがたいよ」
扉に掛けた手が、そこから動くことは無かった。
中で楽しそうに話す東峰とチカを見たくなかった。
私はそのまま、静かに教室へと戻った。