第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
ホームルームが始まる少し前、東峰は片足を庇いながら教室へ戻ってきた。
「捻挫……?」
「あぁ、大したことないよ」
「……そっか」
「? ……おぅ」
ホームルームも、終わり私達は部活のために体育館へと向かった。
着替えを終えて体育館へ入ると、案の定東峰は澤村や菅原から盛大に罵られていた。
「たくっ! お前はこんな大事な時に怪我するとか!! だからヒゲチョコなんだよ!!」
「まぁまぁ大地、それ位にしてやれよー? 怪我が治ったら今まで以上の活躍をしてくれる旭が可愛そうだろ?」
「お、お前ら……」
「そうだよー? 部活以上に楽しそうに全力で頑張っての怪我なんだから、そんなにいじめないであげてねー?」
「早川まで……」
ボトルの準備で3人の脇を通り過ぎざまに、私も一言。
八つ当たりなんかじゃない、そう自分に言い聞かせた。