第4章 愛のカタチ
──ピンポーン──
木兎に聞いた住所をもとにナビアプリで赤葦くんちへ。
「はい、どちら様ですか?」
インターホン越しに聴く赤葦くんの声は、少し掠れて聴こえた。
「あ、……早川です」
「……ぇ、ぁ、ちょっと待っててください……」
しばらくして玄関の方から鍵の開く音がし、おでこに冷えピタを貼った赤葦くんが出てきた。
熱のせいか、ほんの少し頬が赤い気がする。
「ミカさん、どうして……」
「赤葦くん、昨日傘ほんとは無かったんじゃなかったの? だから濡れちゃって風邪引いたんじゃないの……?」
「いえ、途中で傘が折れて……」
「それでも、この傘使ってれば熱なんて出なかったのに! こんな大事な時期に私のせいで風邪なんて!!」
「ミカさん、とりあえず中入りません?」
「ぁ、ごめん……うん。お邪魔します……」