第4章 愛のカタチ
「これ、よければ使って下さい」
「それじゃ赤葦くんが濡れちゃうでしょ」
「折りたたみのが教室にあるので大丈夫ですよ」
そう言って、笑顔で手にしていた黒い傘をこちらにくれた。
「この大事な時期に体調崩したらダメですよ? マネージャーあってのバレー部なんですから」
「今日は赤葦くんに助けられてばっかだね。このお礼はまた今度するね!」
「気にしないで下さい、それじゃ俺は傘を取りに行くので……また」
「うん! またね!」
再び校内に戻っていく赤葦くんを見送り、大きめの傘をさして家路についた。