第4章 愛のカタチ
上の空で過ごす1日はほんとにあっという間で、朝練が終わったのがついさっきのよう。
今日は午後練はオフなので、放課後は暇になる。
いつもなら彼氏とデートしたりして暇なんて事はないけれど、今日は一人だ。
「はぁ……」
いつもなら隣に居るはずの彼はもう居ない。
昇降口を出るとパラパラと雨が降っている。
そう言えば、家を出る前に母が雨がどうとか言っていたような気がする。
「ミカさん」
走ればいいかと思い1歩踏み出せば、急に声を掛けられる。
振り返れば赤葦くんの姿。
「傘、ないんですか?」
「うん、今日忘れちゃってねー」
「彼氏さんは……?」
「…………振られちゃった」
ポツポツと雨の音だけが響き渡る。