第4章 愛のカタチ
「……さん、ミカさん?」
「あ、ごめん……どうしたの? 赤葦くん?」
水道でボトルを準備していると、背後から2年の赤葦くんが声を掛けてきた。
「おはようございます、さっきからずっとそれ洗ってたんで……」
そう指摘され、私はまだ一本目のボトルを洗っていることに気付いた。
「手分けすれば早いですし、手伝います」
「ぁ……、ごめん、ありがとう……」
昨日あれだけ泣いたのに、まだ失恋を引きずっている自分。
公私混同しちゃいけない、そう思っていてもそれだけ彼を愛していた。
「はぁ……」
「これで最後です……さっきからため息ばかりですが大丈夫ですか?」
「えっ!? ごめん、ほとんどやってもらっちゃって……」
「いえ、ミカさん達にはいつもお世話になってもらっているんでこれくらい大したことありませんよ」
そう言って、洗い終えたボトルをカゴへと戻す赤葦くん。
相変わらずスマートだなと感心してしまう。