第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
6限にあった体育の授業は、男女共にバスケだった。
体育館はネットで二分され、ネット越しにこっそり東峰のことを見ていた。
背の高い東峰は、やっぱりセンターで豪快なリバウンドとかほんと見とれてしまう。
「ミカ、うちらの番だよー」
「はーい」
名前を呼ばれ、現実へと意識を戻す。
相手チームにはバスケ部の子も居てなかなかの接戦を繰り広げる中、ドスンと激しい音の後ザワザワとゴール下に集まっていく男子達。
私がそちらに視線を向けると、別の生徒の肩を借りて立ち上がる東峰の姿。
「………………」
心臓を鷲掴みにされた気分だった。
「危ないっ!!!」
よそ見をしていた私の顔面に、綺麗にバスケットボールがヒットしたのはほんの数秒後の事。