第3章 恋愛ごっこ【R18】
「恋愛ごっこするうちにね、月島くんの事少しずつ分かってきて、もっと知りたいなって思ってきたの、あぁ、これが人を好きになるって事なんだって思えたの」
ミカさんはふぅっと息を吐き出した。
「だけどね、それがわかったら……月島くんには無い気持ちなんだって、わかっちゃったの」
頭に添えられていた手を離し、僕に背を向けた。
「受験のために東京行って、少し離れてみてやっぱり実感した。月島くんは、私を好きにはならないって。だから……」
振り返ったミカさんの目には、明らかに涙が溜まっていた。
「だから、今日で最後にするんだ。私のワガママに付き合わせてごめんね……ほんと、ごめんね」
最後はシャワーの音に掻き消されてしまう程に小さな声だった。