• テキストサイズ

ハイキュー 短編集 R18

第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ




片道30分、学校に着く頃にはほんのりと汗が滲む。


「毎朝よく頑張るなー」


校門を過ぎたところで同じ部活の東峰に声を掛けられた。

「おはよ、さすがに3年も続けてれば慣れるでしょ?」
「まぁな~、でも俺には無理だな」
「うわっ、ちょっ!? 何すんの!!」


ワシャワシャと東峰の大きな手が私の頭を豪快に撫でる。


「丁度いい高さだからな♪」
「どうせ私はチビですよーだ」


東峰と話す時はいっつも見上げなくてはいけない。
30センチも違えば当たり前なんだけれども。


東峰は烏野高校男子バレー部のエース。
いつもは頼りないことの方が多いけど、やる時はやってくれる。

一時期バレーを避けてた時期もあったけど、それでもまた帰ってきてくれた。



私がそんな東峰を特別視するようになったのは、いつからだろう。


でも、東峰の視線の先にはいつもチカが居るから……。


だから私は、毎日のこのちょっとした時間のために少しだけ早起きしている。


これは私だけの秘密。

/ 206ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp