第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
「ただい……ま……」
玄関を開けると、電気も付けずにチカがそこに居た。
「ミカ……」
私の顔を見るなり、大粒の涙を流しながらごめんねと抱きついてきた。
「私、ミカが頑張ってるのずっと見てきたから、応援したくて!! でもまた私ばっかりで……ミカの事、全然考えてなくて、ホントごめんね!!」
私が帰ってくるのをずっと待っていたようで、もうずっと泣いていたのか目の周りが赤くなっている。
「私こそ、ごめんね……。せっかく作ってくれたのに、クッキー……まだ、ある?」
「これしかない……」
そう言って出してきたのは、袋の中で砕けて形の分からなくなったクッキー。
恐らく私が投げつけたもの。