第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
「あっ! 旭さん達帰ってきた!」
体育館に戻ると、入口のそばに居た日向が一番に気付いた。
「あー!! 旭が早川泣かした!!」
「えっ!? あ、いや、これはだな、スガ!!」
「東峰、サイテー」
「清水まで!?」
「旭さん、女を、泣かすなんてサイテーっす」
「西谷!?」
入口で目元を真っ赤にした私に気付いた菅原が指摘し、それを聞いた潔子と西谷が便乗して一悶着。
少し離れた所で静かに怒りマークをくっつけた澤村の元まで行き
「私的な感情で部にご迷惑をお掛けしてすみませんでした」
と謝れば「おう、たまにはいいさ」と軽く許して貰えた。
どうやら怒りの矛先は東峰の方に向いていたらしく、その後ストレッチや壁打ちなど簡単な練習をひたすらさせられていた。