第9章 幸せまでの時間
もう一度孝支を見直せば、まだ頭を下げている。
「…………ょ、よろしくお願い……します……」
まさか、こんな所でプロポーズされるなんて思ってもいなかった。
ドラマならもっとロマンチックな、夜景の綺麗なレストランだとか、海をばっくにだとかなんだろうけど、これはこれで孝支らしいなと思った。
「「「おめでとう!!!!」」」
皆が祝福してくれて、東峰くんは涙まで流していた。
孝支もうっすら涙ぐんでたけど、それは気付かないふりをした。
「スガ! 指輪はめてやれよ! 写真撮ってやる!」
「ぉ、おう!」
指輪を持っても、私の手を支える手も、どちらも震えて居たけど孝支の瞳は真剣そのものだった。
「はい、チーズ!」
孝支とのツーショットと、店員さんに頼んで5人で写ったのを撮って、この日はお開きとなった。