第9章 幸せまでの時間
トイレから戻ると、潔子ちゃんと孝支の席が入れ替わっていた。
少し不思議に思ったけれど、空いている孝支の隣の席へと座った。
気のせいか、孝支が緊張しているように見えた。
「どうしたの?」
「ん……ぃゃ……えと……」
「お待たせしました! ストロベリーチーズケーキパフェです!」
タイミングがいいのか悪いのか、先程注文したデザートが届いた。
「ごゆっくりどうぞー♪」
笑顔の店員さんが去り、再びの静寂。
「ミカ……」
「ん?」
孝支がこちらに身体を向け、皆の視線が私たちに集まる。
「俺と…………………………結婚して下さい!!!!!!」
「っ!!?!?????」
目の前には小さな箱に入った、小ぶりな石の付いた指輪が差し出され、孝支が頭を下げている。
ドラマとかでよく見るプロポーズのシーンみたいだ。
ドッキリかなにかのようで、皆の顔を何度もキョロキョロと往復するけれど、皆お祝いモード1歩手前だ。