第9章 幸せまでの時間
「お前らが付き合ったって聞いた時は、やっとかーって旭と話したのがついこないだの話なのになー」
「当事者以外はお互い好きだっての気付いてたからなー」
「もうその話はいいってー」
大地と旭は俺と同じくビールジョッキを片手に、ツマミに手を伸ばしている。
しばらくして、2杯目の飲み物が届いた頃テーブルに伏せていたスマホが着信を告げた。
「もしもし?」
『遅くなってごめん! 今最寄り駅着いたからダッシュで行くね!!』
「おー! 気を付けて!」
仕事を終えたミカがまもなく到着するという事で、追加のビールを注文しておく。
「さすがスガ! 気が利くなぁ!」
「うっせ!」
「私入り口まで迎え行ってくるよ」
「悪いな、清水」
そう言って席を立つ清水と入れ替わりに、追加のビールが到着した。
程なくして、少々息の上がったミカを連れた清水が戻ってきて、本日2度目の乾杯をした。