第9章 幸せまでの時間
「かんぱーい!」
週末の喧騒の中、ジョッキやらグラスやらの当たる小気味良い音を響かせて宴会の始まりを告げる。
「久しぶりだなー、このメンバーで集まんのも」
「大学卒業以来だもんなー」
「みんな変わんねーなー」
ツマミの枝豆をほうばりながら、皆の顔を見渡す。
高校時代、同じバレー部で過ごし、大学に上がればよきライバルとなった。
その後も何度か顔を合わせては居たが、改めて集まったのは久しぶりのことだった。
「それより、ほんとに始めてて良かったの?」
「ミカからは、残業で遅くなるから先やっててって連絡来てたから大丈夫だべ」
「ならいいけど……」
ミカと同じく、俺達のチームを支えてくれた元マネージャーの清水は、甘いカクテルをちびちびと口にしている。