第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
「今から俺の愚痴……みたいなの聞いて貰えるか?」
東峰は、私の嗚咽が落ち着いたのを見計らってそう訊ねてきた。
私は顔もあげず、ただ頷いた。
「最初はさ、なんとも思って無かったんだよ……」
東峰は、私の返事を確認してから話を始めた。
私は、片想いが終わる瞬間を静かに待った。
「頑張ってるなーとか、大変だろうなーってさ? んで、気付いたら目で追うようになってた……」
どくん、どくん──
心臓と耳がくっついているんじゃないか、それ位ハッキリと鼓動が聴こえる。
耳を塞ぎたい、だけど聞かなくてはいけない。
これは私の義務なんだ。