第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
「お前はサイテーなんかじゃないぞ?」
「何を今更……」
「そうやって、素直に気持ち吐き出せるじゃないか……さっきだって、まぁ言葉はあれだけど……人前で意見言えるのは凄いよ」
東峰なりに、気を使ってくれてるのがすごく分かる。
分かるからこそ……辛い……。
「俺は……ずっと気持ちを伝えられずに居た、溜め込んで溜め込んで……それで、あの時ああなっちまった……。だけど、早川の言葉が少なからず俺の力になったから、今の俺がここにいる。俺はそう思ってるぞ? あの時はありがとな、今更だけど」
再び沈黙が2人を包む。
しばらくすると、体育館の中から再びボールの弾む音が聞こえてきた。