第8章 年下の悩み【R18】
ぼーっとする意識の中、誰かに支えながら店を出る。
4月半ばと言うのに、まだ夜は少し肌寒い。
しばらくして誰かの「タクシー来たよ!」と言う声で再び歩き出す。
「早川ちゃん住所言える?」
隣にいる誰かに聞かれるが上手く頭が回らない。
「住所分かるのある?」
「財布……中……」
ウトウトとしながらタクシーに乗り込み、一緒に乗り込んだ誰かは「ちょっと漁るね」と許可を取り財布から保険証を取り出し、記載された住所を運転手へ告げた。
タクシーが動き出せば、まるで揺りかごの中にいるかのように心地よい眠気を連れてくる。
必死に目を開けていようとするけれど、いつも以上に重いまぶたは私の意思に反してどんどんと視界を狭くしていった。