第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
「いらない……」
「美味しいよ?」
「いらないってば……てか、なんで……」
その場に居た全員が、私達の異変に気付き空気が一瞬で凍りついた。
「邪魔、しないでよ……今、大事な時期なんだから……みんな一生懸命にやってるんだから、部外者は出て行ってよ!!!」
渡されたクッキーを袋ごとチカに投げつけた。
ガサッと乾いた音とともに床に落ちた。
「ごめっ……」
「触んなっ!!」
瞳を潤ませたチカが、私のやり場のない怒りをさらに煽った。
「早川、それ位に……」
澤村の手が肩に触れるか触れないかのところで、私はどこへともなく走り出した。