第6章 ハジメテ
「もうすぐバレーの大会なんでしょ?」
「春高バレーの予選……っス」
夏にあった大会では、苦汁を飲んだそうでそれからしばらくは会っていなかった。
久しぶりにわが家に来たと思ったら、どうやらひと皮もふた皮も剥けたらしい。
素直に応援出来たらな、なんて思っていれば、珍しく飛雄の方からキスされた。
「んっ……どうしたの?」
子供をあやす様に、優しく抱きしめ問いかける。
「俺………………ミカさんのこと、」
──ドンドンドンドンッ!!!!!
飛雄の言葉を遮り、ドアを激しく叩き来訪を告げる。
嫌な予感がして、背筋が凍る。