第1章 ルカBDSS【知り過ぎた日】
Luka side--------
アリスの姿をしたルカは、大きなため息をつきながら洗濯物のシーツを干していた。
先程、お店に聞きに行ったアリスの話によると
効能は日没まで、らしい。
(……スカート、ふわふわして落ち着かない)
体中のいろんな感覚が気になって仕方がない。
大量の洗濯物も、いつもなら一度で運べるのに、全く力が入らない。おかげで3往復もした。
「はぁ……」
そして極めつけは……意識しないようにしてもどうしても意識してしまう……この……胸元……
「アーリースーちゃん!」
「うわっ!!!」
突然後ろから抱きつかれ、ルカは声を上げた。
「セス……突然抱きつくなんて……ハレンチ」
「あら…何だか今日のアリスちゃんたら、アタシのこと呼び捨てにして……いつもより積極的ね」
後ろから肩越しにセスが耳元で囁く。
(き、気持ち悪い…!)
「……離れて、でないと……」
ルカは護身術を応用してセスから逃れようとするが、セスの力が強すぎて逃れることができない。
(……っ!)
「アリスちゃん、いつのまにそんな技覚えたの?おっしーい!ほら、もっと腰を落として…」
セスの手が腰に回り、ルカは我慢の限界に達する。
(……もう……嫌だ!)
「こーら怪力オカマ野郎、アリスいじめてんじゃねーぞ」
(フェンリル!)
後ろからフェンリルの声がして、セスが離れた。
(助かった……)
「あら仲良くしてただけよぉ〜」
「そうは見えなかったなぁ……ほら、アリスこっち」
「えっ……うわぁっ!!」
いきなりフェンリルに腕を取られ、胸がフェンリルの肘に当たる。
「ちょ……フェンリル…あの……!」
「ん?どした?それよりアリス、ルカのパーティの準備手伝ってくれよ」
フェンリルの腕に胸が当たったままぐいぐい引っ張られる。
(胸が……胸が…当たってる………!!)
顔を真っ赤にしながらアリス姿のルカはフェンリルに引っ張られていった…。
「なぁ、ルカの欲しいもん分かった?」
「え?」
フェンリルは突然尋ねてきた。
「お前なら聞き出せるかと思ったんだけど、やっぱ無理だったか〜…仕方ない、今年もいつも通りのパーティで盛り上げるか!」
その言葉に、複雑な気持ちでルカは黙り込んでしまった。