第9章 どうして君を好きになってしまったんだろう 【Dear番外編】
千年伯爵も、ノアも…
全ての元凶を葬り去って、世界に平和が戻って暫く…
解散した黒の教団の団員達が、ある祝事に集まっていた。
「おめでとう、」
「めっさ綺麗さ~っ」
「ありがとう…みんなっ」
晴れ渡った空…
それに似合う純白のドレスに身を包んだ、まだ少女と言える女性。
彼女は巧みな化粧で、以前よりも一層美しく見えた。
「ちゃんも遂に結婚…っ…その相手があの神田君だなんて…!」
控室に挨拶をしにきた元室長、コムイは心底悔しそうに泣き出した。
「室長、今までありがとうございました。
室長にはいろいろ迷惑かけちゃいましたけど…」
「いいのいいの。兄さんの方が、おかしな機械作ってを困らしてたんだから」
コムイの側で、のかつての戦友そして親友リナリーが微笑む。
「本当に綺麗よ、」
「ありがとう、リナリー。私、リナリーと親友でよかった…これからもずっと友達でいてね」
「~俺は俺は?」
嬉しそうに微笑むリナリーの前にラビが立ちはだかった。
そして悲しそうに眉を寄せる。
は薄く紅のさされた唇で綺麗に孤を描いてラビを見た。
「もちろん、ラビも…ラビと任務が一緒になった時、いっぱい笑わせてくれたり、いろんな話が出来て楽しかったよ?」
そう言って微笑むと、ラビは栓が抜けたように破顔させて喜びをあらわにした。