第7章 幸せですか 神田切裏 【オキザリスの続編】
ーーー・・・
「ぁっあっあんあああああっ!」
「…くっ…」
神田が任務から帰ると、やはりいつもと同じ、身体だけの快楽を味わった。
共に果て、ベッドに身体を沈める…
「…」
不意に、神田が声を発した。
は、顔を上げて神田を見ると、彼は天井を見上げたままこちらを見ようとはしていなかった。
「もう、終わりにしよう」
「………」
突然の別れの言葉。
けれどいつかこんな日が来ると、どこかでわかっていたは大して驚く事なく彼を見つめた。
「こんな愛のない事やり続けて…気がついたら俺は快楽だけを求めていた…お前も、いつの間にか俺を映さなくなってた…」
「…うん…」
「この先きっと、この状態から良いように転がる事は、俺は予想できねぇ…だからせめて、これ以上傷付かないように」
終わりにしよう…
の目から無意識に涙が溢れた。
こんなに愛しているのに、
彼の言葉に首を振る事ができない
神田はの涙を優しく拭った。
「泣くな…でないと」
また身体を求めちまう。
は全裸のまま起き上がり、神田の上に無言で覆い被さった。
月光が二人を切なく、哀しく映し出す。
涙は宝石のように零れて神田の頬に落ちた。
まるで、温かかった二人の思い出のように…
「ユウ…」
無言で、二人は唇を重ねた。
触れた唇は、雪のように冷たく、刹那に離れた。
ごめんね…