第6章 オキザリス 神田切裏
ねぇ、ねぇ神様…
これは罰なのですか…?
幸せ過ぎた私に対する…
「ユウ!」
「…どうした?」
駆け寄って来たのは神田の恋人のエクソシスト、。
今日は神田が任務に出るので、見送りに来たのだと、は言った。
「いつ、帰って来れる?」
少し淋しそうに眉を寄せて、は遠慮がちに聞いて来た。
そんな彼女に、神田はほんの微かに微笑んでポンッと頭に手を乗せた。
「そんなに遠くない所だ、明日の夜には帰る。」
それを聞くとの表情は花のように明るくなった。
「本当?」
いくら任務だからとはいえ、恋人と離れたくない気持ちは神田とて一緒だった。
「ああ…だから」
神田は突然、の腕を引いた。
の耳元に神田の唇が寄せられる。
「帰ったら…お前を抱く」
「え?」
言葉の意味を瞬時に理解する事が出来ず、キョトンとしているを尻目に、神田は笑んで踵を返した。
「…ッッ!」
言葉の意味をやっと理解したらしく、頬を真っ赤に染めて
は小さく呟いた。
「…ッバカ」
けれどやはり、内心嬉しくもあり、早く明日にならないかとは思った。