第31章 ep5 君の特別
ロードという、一見我が儘に見えて実はとても苦労家な少女が去って、の体調も正常に戻った頃、ティエドール邸には穏やかな日々が流れていた。
「ああ~平和さぁ…てか、こんなに何もなかったら暇さぁ!!」
うーんと大きく伸びをするラビ。その側で彼の話を聞きながら、は部屋の窓を磨く。
「何言ってるの。平和が一番よ。落ち着くし…ちょっと眠たいけど…」
そう言って小さく欠伸をする。
「なんか、ババアみたいな言い草さ」
「何ですって?…それより、ラビはいいの?」
キッと鋭くラビを睨み付けるが、彼に効果はないのは経験済みである。
ラビはキョトンと首を傾げた。
「ユウのお茶の時間…もうすぐじゃないの?」
「お、遂にもユウって呼び捨てさ~?」
口元をニヤつかせるラビ。