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songs(R18)

第29章 ep3 貴族の事情





―――…


長いテーブルに向かい合い、ディナーに手を付けるユウとロード。
会話は無く、金属が噛み合う音だけが僅かに部屋に響く。


その音と、何か異様な気まずさを感じながらラビは、ミランダに耳打ちした。

「そういえば、は…?」

「ちゃん?…そういえばいないわね…」


ミランダが辺りを見回す。
他の使用人達も、首を傾げるばかり。

静かな室内なため、ユウにもその言葉は聞こえていて…

「………」

ちらりと前方で、サラダを口にしているロードを見遣る。

すると、彼女もユウの視線に気付き、無表情でこちらを見つめた。


「…失礼」


先に次の行動に移したのはユウだった。
彼は席を立ち、踵を返した。


「今日は先に休む。…寝衣の用意を」

「か、かしこまり…ました」

内心首を傾げているのだろう、ラビは慌ててユウの後をついて行った。




「……フフッ…」


ロードはニヤリと笑った。





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