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songs(R18)

第29章 ep3 貴族の事情





ーーー・・・


「おはよう、ミランダ…」

「あぁちゃんっ、おはよう」

起床時間が過ぎ、仕事衣に身を包んだが廊下に出た時、ミランダを含めた使用人達は慌ただしく動いていた。



「どうしたの?皆慌てて…」

「今朝、早朝にお客様から来訪の連絡があって…」






―――…




「ユウの風邪も、やっと治ったって時にお客さんか~」

「仕方ねぇだろ。さっさとしろ」

テーブルクロスを代えるラビを促すと、ユウは窓の外へと目をやった。



「ちっ…もう来た…」

黒い馬車が丘を駆けて来る。
あの中に、今回の客人が乗っているのだろう。


「そう言えばユウ、そのお客さんに会った事あるんさ?」

「ある。8つの時、彼女が2歳のバースデーパーティーに父上と行った」

淡々とユウは答える。


「だが正直、10年も前だ。ファミリーネームはわかっていても、ファーストネームは思い出せねぇ」



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