第28章 ep2 深孤の優しさ
―――…
「ほんで昨日はと寝てたんさ?ユウもやるさ~」
「変な事言うんじゃねぇ。これぶっかけるぞ」
ユウの寝室に着替えと称して遊びにきたラビは嬉しそうにベッドに腰掛けた。
「それ何さ?」
ユウがかけると言っているカップの中身を差して尋ねた。
ユウはそれを一口飲み、何とも言えぬ堅い表情を浮かべた。
「あいつが…が作ったスープ…らしい」
「うっそ!の手作り!?飲ませてさ!」
ラビはユウに飛びつき、カップを奪い取った。
カップ一杯のそれを一気に飲み干すと、ラビもユウと同じ、堅い表情になった。
「これスープ?無味無臭なんですけど…」
ユウは沈黙の同意を示した。
僅かに口端が上がる…
「ラビ」
「ん?何さ?」
ラビは首を傾げた。
ユウはがずっと握っていた右手に目を落とした。
“これ、私が作ったスープです。温まりますよっ”
“何かあったら言って下さいね”
"ユウ様…これからもひとりじゃないですよ…"
「…は…違うかもしれねぇな…」
その呟きに、ラビは口端を釣り上げた。
「違うさ…は…」