第17章 恋愛写真 クロス切裏【HEAVEN番外編】
あの頃の私には、貴方しか見えていなかった…
貴方の存在が、
大きくて…大きくて…
私はいつも貴方の背中を追ってばかりだったけれど、
いつからかちゃんと…隣を歩けるようになっていた。
あれから三年、月日はあっという間に流れて行ったけれど、貴方への想いは変わらず…
気がつけば私は、
大人の女になっていて、それなりに汚れていた…
けれど貴方が私を愛してくれている時…私は処女だった頃のように綺麗になれる気がした。
それほどまでに、貴方は私にとってかけがえのない愛しい存在…
今でも変わらずに…
クロス様…貴方はいつも、私を光の射す方へ導いてくれた…
18の頃の私は、目に映るものを忘れないように焼き付けていた。
20の頃の私は、何かをやり通す事に必死だった。
今でも鮮明に思い返せる…
そしていつも、すべての記憶のカケラに、貴方の恋しい姿がある…
私はいつも、貴方だけを見ていた
もう二度と、こんなに人を愛す事なんてない…
だからこそ、伝えたい。
貴方に出逢えて、私の世界は色付きました…
―――…
大好きなセレナーデが流れる小さな白い部屋…
…私は、貴方の言うイイ女にはなれているでしょうか?
はふと、顔を上げた…
そして一枚の…もう撮れる事はないだろうその一枚の写真に手を伸ばした…
二人の笑顔…
の思い出の…
恋愛写真に…
ただ、貴方を愛してる…
どこにも行かないでほしかった…
“側にいて…”
ただ、それだけでよかったのに…
今、貴方は何処に?
もう、遠い人になってるの…?
私は今でもあの店で待っています
向日葵を飾って……
End…